2人の専門家が警告!便利になった世の中が「骨盤底筋」の機能を下げる?(OurAge)



近年、その重要性が注目され続けている「骨盤底筋」。文字通り「骨盤の底」にあり、尿道・腟・肛門のまわりを取り囲み、座骨から恥骨に広がるたくさんの筋肉群のことだ。内臓を下から支え、毎日の排泄を司っているとても重要な部分だ。

特に体の変わり目になる更年期世代こそ、この骨盤底筋の働きをきちんと知っておくべき、と口をそろえる二人の専門家に、骨盤底筋の役割とトラブルの原因について、語ってもらった。

〈二人のプロフィール〉
kyoさん
ボディワークプロデューサー。フィットネス業界での指導を続ける中で骨盤まわりの大切さに気づき、2005年よりオリジナルの自己骨盤調整メソッド「ビューティ・ペルヴィス」を展開。

田舎中真由美さん
理学療法士。腰痛、産後の骨盤周囲の痛み(恥骨痛、仙腸関節痛など)、尿失禁や骨盤臓器脱など骨盤底筋群のトラブルに対する骨盤調整、運動指導を専門としている。

◆骨盤底筋を意識するだけで日本人女性は変わる!?

kyo 骨盤底筋の場所がわからない人が意外と多いんです。きちんと意識できていないとだんだん使わなくなり、知らないうちに衰える。それでスタイルがくずれたり尿トラブルが起きたり…。「小股が切れ上がった」とは足首の締まりを指すと同時に、骨盤底筋の強さを表す言葉だと思います。

田舎中 私は尿もれや頻尿に悩む人をよく見ているんですが、骨盤底筋も筋肉のひとつだという意識を持つだけでずいぶん違ってきますね。

kyo 実は日常的に誰でも使ってはいるんですよね、排泄という行為で。

田舎中 そうなんですが、排泄での使い方を間違っている人が多いです。排便の仕方なんて、誰にも習わずに小さい頃からそのままきてしまっていますから。例えば「うん」っと力んで力が入っている状態で出そうとする。つまり骨盤底筋をリラックスさせないで便を押し出す。それがまさに使い方の間違いで、骨盤底筋をわざわざ硬くして自分で便秘を呼んでしまう。そして便秘で便が出ないからいきむ…の悪循環。

kyo で、薬や病院に走ってしまう。

田舎中 薬を使うでも食事の改善でもなく、実は便秘も骨盤底筋だけで改善することが多いんですよね。

kyo 女性が出産前に骨盤底筋の意識がないというのも問題ですね。

田舎中 私はちょうど今、産婦人科で1カ月健診のお母さんの体のチェックをやらせてもらっているんです。腹筋や骨盤の状態、そしてまさに尿もれの状態…。産後にそれらを正しくチェックして、リハビリトレーニングをしてくれる施設、日本ではまだ少ないです。

kyo フランスをはじめ、ヨーロッパでは産後の骨盤底筋ケアは当たり前ですものね。

田舎中 ママたちに「骨盤底筋のエクササイズ、習ったことありますよね」と聞いてもだめで。出産入院時に書いたものが配られていたと思うんです。でもその意識がないから忘れていて「言われたかもしれません」くらいの感じ。まったく重要視されていない。

kyo 日本では秘め事的な感じで、人前では言わないというのもありますよね。あと、日本女性はもともと骨盤底筋が衰えるなんていう人が少なかったんだと思います、昔は。着物の文化だから、骨盤底筋がしっかりしていて生理のときに「経血コントロール」ができていたんですよ。

田舎中 下着は腰巻きだけ。生理用品なんてないですからね。

kyo ある程度経血をためておいて、トイレに行ったときに出す。昔はみんなそれができていたそうです。今は、垂れ流しじゃないですか、ある意味。

田舎中 確かに垂れ流し。吸収パッドにまかせていて、骨盤底筋は使わなくなっていますから。年を重ねてトラブルが起きるのは世の中が便利になったせい、と言っても過言じゃないです。

kyo そう、昔の人のように家事でも骨盤底筋を使わない。拭き掃除や洗濯でも立ったり座ったり、かまどでフーフー。みんな家電まかせになったのも骨盤底筋を退化させる原因ですよね。

◆骨盤底筋の役割とトラブルの原因

骨盤底筋の役割、機能低下の原因、それによって起こるトラブルをまとめた。あなたの骨盤底筋は大丈夫?

〈骨盤底筋の役割〉
・内臓や生殖器(特に膀胱、直腸、子宮)を支える
・排尿のコントロール
・排便のコントロール
・生理の経血のコントロール
・出産時に産道を伸縮させる
・体幹を安定させる

〈骨盤底筋の機能が低下する原因〉
・加齢
・妊娠・出産
・間違った使い方
・便秘(排便でのいきみ)
・女性ホルモン減少
・重い荷物を日常的に持つ
・強い咳を繰り返す

〈骨盤底筋の機能が低下して起こるトラブル〉
・尿もれ・頻尿
・ウエストのくびれがなくなる
・下腹部がポッコリ出る
・ヒップが下がる
・太ももが太くなる
・血流やリンパの流れが悪くなる
・姿勢が悪くなる



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